「チ。ー地球の運動についてー」(チ。地球の運動)放送されています。
チ。地球の運動は、15世紀ヨーロッパを舞台に地動説をめぐって、信念と命をかけた人々の物語です。
地動説が認知されるずっと以前の歴史上の物語ですが、実際の史実に基づいたお話なのか
フィクションなのか気になる所です。
今回はチ。地球の運動は実話なのか?実在した人物は誰なのか?について解説してみたいと思います。
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チ。地球の運動アニメは実話?
「チ。」っていう地動説のまんがを電子で既刊ぶんは買ったから読んでる
言葉の重みがすごい!どこまで実話なんだろう、というところがやはり気になる…— 大豆🌈10/27壁博_東4く08b✍ (@daizu_888) May 11, 2021
人気漫画「チ。地球の運動」は、地動説の証明に命をかけて挑み続けた人々を描いた物語です。
果たしてこの漫画は史実通りの実話なのでしょうか?
調べてみました。
チ。地球の運動アニメは実話?
「チ。地球の運動」はフィクション作品であり、実話ではありません。
登場人物も一人を除き、全員が実在しない架空の人物です。
物語の舞台は15世紀のヨーロッパだと明らかにされています。
しかし、登場する国名は「P王国」、そこで信じられている宗教は「C教」と、あくまで架空のものとして描かれています。
P王国では、地動説を唱える者はC教から厳しく迫害されていて、見つかると火あぶりで処刑されてしまいます。
ガリレオの逸話により、日本ではこれを史実だと思い込んでいる人も多いですが、実際にそのような記録は残されていません。
なので、地動説の研究者が厳しく迫害されていたというのも、あくまで架空の話です。
ですが、当時「地動説がキリスト教に受け入れられていなかった」ことは事実です。
ほとんどが架空の設定ですが、所々に事実が織り込まれているようです。
また、終盤においては現在の史実と一致する解釈が示されるなど、架空と実話が絶妙なバランスで合わさった物語といえるでしょう。
チ。地球の運動は歴史の事実とは異なる?
作中に描かれている、地動説の研究者たちへの厳しい迫害はあくまでフィクションです。
しかしそこを敢えて全面に押し出し、C教と戦う研究者たちを描くことで、ヒューマンドラマとしての完成度が高くなっています。
迫害に負けず謎に挑み続ける主人公たちの懸命な姿が、多くの人の心を揺さぶるのでしょう。
けれど肝心の研究については、事実より何百年も早く技術進歩が進んでいるなど、かなり科学史と異なった設定が多いようです。
フィクション作品のため問題にはなりませんが、史実を大切にしている研究者の読者からは批判されることも多い本作。
科学者の情熱を描いているぶん、実際の科学者の努力を作者都合で歪められているようにも思い、不快に感じるのでしょう。
一方で、「チ。地球の運動」は第18回日本科学史学会特別賞を受賞するなど、科学に興味を持つ入口として世間に広く認められています。
史実との矛盾点について考察し理解を深められることも、この漫画の魅力の一つになっているのかもしれませんね!
チ。地球の運動で一人だけ実在の人物とは?
チ。最終巻、最終話でラファウ→オクジー→ドゥラカの順で死の間際に見た景色を並べ、地球の自転によって太陽が昇ってきて次のページのアルベルトで空高くに太陽があるシーンを描くことで、地動説の継承を表すのエモ。 pic.twitter.com/bGGTfs30y1
— 弐酸化マンガ(否定能力『UNNATURAL-不自然-』) (@manga_dioxide) July 16, 2022
「チ。地球の運動」に登場するのは、ほとんどが架空の人物です。
ですが、作中には一人だけ実在の人物がいます。
一体それは誰なのでしょう? 調べてみました。
チ。地球の運動で実在の人物はアルベルト・ブルゼフスキ
「チ。地球の運動」に登場する実在の人物は、アルベルト・ブルゼフスキです。
アルベルトはポーランドの天文学者・数学者・哲学者・文学者・外交官。
天動説には懐疑的で、月が楕円軌道を描いていることを世界で最初に突き止めた人物です。
23歳でクラクフ大学に入学、その後20年間、同学校で教鞭をとります。
アルベルトの講義をうけた学生の中には、ニコラウス・コペルニクスがいました。
地動説を唱えたことで有名なコペルニクスの師は、アルベルトだったのです!
「チ。地球の運動」では、ラファウがアルベルトの師となっています。
物語の中ではラファウからアルベルトに、そして史実ではアルベルトからコペルニクスへと渡されていく研究のバトン。
「チ。地球の運動」はあくまでフィクションの物語です。
しかし、実在の人物が登場することにより、まるで史実とひと繋ぎになっているようで、ワクワクしますね!
アルベルトは物語と史実を繋ぐ、とても重要な人物と言っても良いでしょう。
チ。地球の運動ノヴァクにはモデルの人物がいた
「チ。地球の運動」に登場するノヴァクは異端審問官です。
異端審問官は、地動説を唱える異端者を捕まえて改心させるため、尋問や拷問をする立場にあります。
ええ、酷い!!そんな役割は狂信者にしか出来ないでしょ!Σ(‘◉⌓◉’)
……と思いきや、ノヴァクは子どもに対して優しく、娘や友人の生活を大切にする、意外と何処にでも居そうな普通の人物なんです!
だからこそ、どれほど残酷な拷問でも仕事と割り切って行う淡々とした姿は恐ろしく、残忍としか言いようがありません。
そんなノヴァクは実在の人物ではありませんが、モデルとなった人物がいます。
それはナチス・ドイツのアドルフ・アイヒマンです。
アドルフ・アイヒマンはヒトラー政権のナチス・ドイツにて中心的な役割を果たした一人。
数百万人のユダヤ人をガス室に移送し虐殺した中心人物です。
政治哲学者のハンナ・アーレントによると、アイヒマンは特に思想を持っているわけではなかったそう。
上司に従うだけの小心者で普通の人間だったと語っています。
残虐な行為をしたにも関わらず、どこにでも居そうな普通の人間だったアイヒマン。
行動だけでなく性格面からも、ノヴァクはアイヒマンをモデルにしたことが分かりますね。
恐ろしい……!
まとめ
今回はチ。地球の運動は実話?一人だけ実在の人物は誰?と題して解説してきました。
ほとんどフィクションのお話の中で、実在した人物やモデルになった人物がいたことには驚きました。
原作を読むとその時代その時代で、天動説・地動説に関わる人物が現れて次の世代に託していく様が面白く一気に読んでしまいます。
アニメ化もされているので気になる方はチェックしてみてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。