伊豆の神子元と聞いて、関東に住んでいるダイバーなら誰もが思い描くことがあります。
ハンマーヘッドシャークの大群とドリフト、そして難しいです。
初心者ダイバーの中には神子元って初めて聞いた、と言う方やドリフトってなに?と思う方もいると思うので。
今回はドリフトダイビングはどんなダイビングスタイルなのか?という事と。
必要なスキルについて神子元島でのダイビングを例にしてお話していこうと思います。
神子元島って何が有名?
ダイビングを続けていくと、自分の好きなダイビングが分かってきます。
小さいお魚が好きなマクロ派、大きなお魚が好きな大物派、地形をこよなく愛する地形派。
その中でも大物派と呼ばれるダイバー達に憧れのダイビングスポットがあります。
有数のダイビングスポットが集まる静岡県の伊豆の中でも、一番南にある下田市。
そこからボートで沖に15分程度行った小さい無人島、神子元島です。
神子元島周辺は黒潮の影響を大きく受け、時には30Mもの透明度になり、水温が上がり流れが速くなります。
外洋まっただ中にある島なので見れる魚影が濃く大物が多数出現し、複雑な潮の流れに乗りながらダイナミックなダイビングが楽しめる島なのです。
目玉はやはり夏から秋にかけて出現するハンマーヘッドシャークの群れ!
壁のようなワラサやカンパチ、条件が良ければイルカやマンタ、ジンベエザメなんかも見れてしまいます。
しかし、この神子元島でダイビングをするには、ある条件があるんです。
それはダイビング経験本数が30本以上のダイバーのみ、そしてドリフトスキル必須です。
ドリフトについて
ドリフトダイビングはボートを使用します、神子元では通常のボートダイビングと大きく違う所が一つあります。
それは、ボートがポイントに着いたらダイバーは即ジャイアントでダイビングし、そのまま潜降を開始することです。
通常はポイント上でバックロールやジャイアントでダイビング、水面で集合してからファイブポイント潜降ですね?
なぜダイビング即潜降なのか?
それは 流れが速いから、です。
神子元は流れが早く頻繁に潮が変わったりします、時期にもよりますが30人から40人ものダイバーが同時にエントリーする時もあります。
次から次へと海に入るダイバーの為、エントリーしたら水面にのんびりと漂っていられないのです。
即潜行して水中でガイドと合流、そのまま流されながらダイビングするスタイルがドリフトダイビングなのです。
そのまま流されながらダイビングを続け中層をホバリングしながら移動します。
流れが速いのでフィンキックはまったく必要ありません、ただ流されるだけです。
エクジット時間が近づくとガイドはボートに位置を知らせる為シグナルフロートを上げます、船が近くに来たら全員で浮上速度を合わせ、安全停止を行います。
その後ガイドの合図で素早く船に上がります。
なんだドリフトって楽ちんなダイビングだなと思いますよね?(笑)
ではドリフトに求められるスキルとはなんでしょうか?
ドリフトダイビングに求められるスキルとは?
実は神子元島のドリフトダイビングはダイバーなら誰でも潜れるわけではありません。
ダイバーとして最低30本は潜っていることが条件になります。
ショップによっては100本の経験がないとツアーに参加させてもらえないお店もあるくらいです。
それだけの経験とスキルがないと危険だからと言う事です、では具体的にどういうスキルが求められるか見ていきましょう!
即潜降
通常はBCに空気を少しだけ入れて潜降しますね? ドリフトダイビングではBCの空気を抜いておきます、水面でBCの空気を抜いている間にどんどん流されてしまうからです。
初心者にとって水面に浮く時間がまったくないことは恐怖ですが、これ出来ないとドリフトダイビングには参加できません。
中性浮力
ドリフトダイビングでは中層を潮の流れに任せて移動するのですが、潮の流れと言っても一定ではありません、時には早く、時には遅く流れる潮の流れに全員がバラバラになることなく移動しなければなりません。
カメラを持ったダイバーで、写真を一枚撮っただけで周りに誰もいなかった、と言った笑えないことも起こります、時にはレギュレーターも口から外れそうになるくらいの流れになることがあります。
ドリフト中は前後左右の隊列を乱さないことがなによりも最優先、たった1枚の写真だけで遭難のリスクが高まるのです。完璧な中性浮力が求められます。
エクジットの時には必ず安全停止をします、大きな岩礁につかまって安全停止する時もあるのですが、基本的に5Mでホバリングしながら安全停止が出来ないとドリフトは難しいのです。
体力(泳力)
ドリフトダイビングは流れの中を移動するとお話しました。
この流れはいつも一定とは限りません、神子元に限らず早い流れが岩礁や根にぶつかりあうポイントでは流れの早さや向きがさまざまに変化します。
向かってくる潮の流れに逆らいながら全速力で泳いだり、岩につかまって耐えたり。
時にはダウンカレント(下方に向う急な潮の流れ)につかまり、BCに空気を入れて全開のフィンキックをしないと抜け出せない時もあります。
いつもそうだとは限りませんが、時にはかなりの体力が必要になります。
まとめ
神子元では外洋で潮流の変化が激しい海が多いのは確かですが、流れの穏やかな場所を選んで潜ることも可能です。
とは言え、一般のダイビングポイントとは違って、きちんとしたダイビングスキルがないと危険であることには違いありません。
現地のダイビングサービスのガイドラインでは最低30本となっています。
そのほかに基礎的なダイビングスキルや完璧な中性浮力、流れによって外れた時のマスククリアやレギュレーターリカバリー等が身についていること、急潜行や安全停止が問題なく出来ること。
そしてシグナルフロートやダイブコンピューターは必須アイテムであり、使い方も熟知しておかないといけません。
高いスキルが要求されるドリフトダイビング、でもジェットコースターのように流れに乗りながら、1m以上もある大物の大群に出会えた感動は、私自身もいまでも忘れないくらいダイビング冥利に尽きる経験です。
ドリフト未経験の初心者ダイバーさんや中級者ダイバーさんもスキルを磨いて、いつかドリフトダイビングを楽しんでくださいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。