沖縄で午後にダイビングを1回した!
お土産も買ったし、沖縄そばも食べた。
明日仕事だから最終の便で東京に帰ろう!! ちょっと待って、それダメ~ です!!
1日で1回のみダイビングをした後でも、飛行機に搭乗するには最低12時間あけないといけません!
今回はそんなお話をしていこうと思います。
ダイビング後に飛行機に搭乗するには決められた時間待たないといけない
PADIには潜水後の飛行手順というものがあります。
単一ダイビング:飛行機搭乗まで最低限12時間の待機時間が推奨される。
反復ダイビング:(数日間にわたるダイビング)飛行機搭乗まで最低限18時間の待機時間が推奨される、と書いてあります。
どういう事かと言うと、1日のみの1本ダイビングで12時間、複数の日数、または1日に複数回のダイビングで18時間以後でなければ飛行機に乗ってはダメです、ということです
だから、どうして飛行機にのっちゃいけないの?なぜダイビングの指導団体であるPADIが飛行機に乗るまでの基準なんて作るのさ、と疑問に思いますよね?
ではその理由をお話します、それはダイビング後に時間をあけずに飛行機にのると、減圧症のリスクが高まるから!
って減圧症って言われても・・なんのことかピンとこないですよね?(汗)
では少し減圧症についてお話しましょう
減圧症について
さてここで問題です!
我々が呼吸している空気には酸素がどのくらい含まれていますか?
それ以外の主な構成成分はなんですか?
はい 酸素21% 窒素79%です。
ちゃんと正解できましたか(笑)?
ダイビングで通常使っているタンクの中の空気も同じ79%の窒素と21%の酸素で構成されています、圧縮されているだけで大気中の空気と構成は変わりません。
ダイビングをしている最中は圧縮された空気を吸っているのですが、水中では圧力がかかっていますね?
その圧力に比例して身体の中に酸素や窒素が溶け込んでいくのです。(これをヘンリーの法則と言います)
ダイビングによって、血液中にある一定以上の量の窒素が溜まったままの状態で浮上してしまうと、圧力が減少することで、その溜まっていた窒素が血液中や細胞の中で気泡を形成します。
炭酸飲料のペットボトルのフタを開ける時にシュワっと泡が出ることありますよね?
圧がかかった状態の炭酸飲料のフタを開けることで、かかっていた圧力が解放され、気泡ができて飲み物が泡立つのですが。
体内に形成される気泡はやっかいで、体内をかけめぐり、ありとあらゆる場所で細胞を傷つけます。
これが減圧症といわれるもので、めまいやしびれ、ひりひり感や関節や手足の痛み、重症になると呼吸困難や死に至ることもあります。
察しの良い方は気が付いたと思いますが、赤い太文字の部分。
「圧力が減少する」
似ていますね、飛行機に乗った状態と・・
ダイビング後に飛行機に乗るということ
これまでのお話しで気づいた方もいらっしゃると思いますが、
飛行機で高度のある上空を飛ぶ時は航空機内でも少なからず気圧が下がります。
航空機の巡航する10000Mの気圧は約0.2気圧程度と言われていて(空気中の酸素量も当然地上の5分の一になり)人間は生きていけないので、客室の気圧も高く保たれているのですが、その気圧は0.8気圧前後だそうです。
ダイビングの最中に体内の血液や細胞、組織内に圧力で溶け込んでいる状態の窒素が航空機内の圧力が減少することで気泡になり、減圧症を引き起こすリスクが多くなるのです。
ダイビングで急浮上しないのは急に水圧が減少して身体に溶け込んだ窒素が気泡にならないないようにして減圧症のリスクを低くしているんです。
人間は陸上の1気圧の場所では普通に呼吸によって酸素を取り込み窒素を排出していますね、ダイビングの1本目と2本目に時間をあけるのも陸上で呼吸によって窒素が排出される時間を計算しているからです。
ダイビング指導団体や医療機関の研究や統計結果から導かれたデータを元に、陸上での気圧よりも減少する航空機内で減圧症を発症しないために導かれた時間が12時間であり、18時間なのです。
東京などから沖縄やリゾートで現地のショップを使ってダイビングをするときは、必ず帰りの飛行機の時間を聞かれますし、最後のダイビング後に搭乗までの待機の時間が12時間叉は18時間に満たない場合はタンクをレンタルさせてもらえません。
リゾートにあるお店のインストラクターだけではなく、都心や駅に近いお店のインストラクターやガイドも減圧症の恐ろしさやリスクについては常日頃から考えています。
その怖さもよく理解してダイバーが安全にダイビングできるように綿密に計算して計画を立てていますから、余程の無理をしない限り減圧症にはかからないと思いますが、絶対とは言い切れません。
余談ですが、東京から伊豆にダイビングにいくと途中に温泉で有名な箱根という場所を通ります、行きはいいのですが問題は帰り道で・・
箱根の道路は高い所で1025Mもあり高所移動になってしまうのです。
私も良く伊豆には数日のツアーに行きますが、いつも最終日の前日にダイバーの体調と最後のダイビングの時間と帰りの道に悩みます(笑)。
それだけインストラクターと名の付く人達は、ダイバーの安全管理を常に考えているということです。
減圧症にならない為に
減圧症の最大の原因のひとつは急な浮上によるものです!
オープンの講習で習ったことを思い出しましょう!
ダイビング中の浮上速度で気を付けることは1分間に18Mを超えない速度で浮上するでしたね、わかりにくければ、自分の吐く泡よりも遅い速度で浮上する
これでかなりの減圧症のリスクが軽減できます。
あとはインストラクターの指示を守る。
ダイブコンピュータを持つ。
これらを複数組み合わせて減圧症のリスクを少なくしてダイビングを楽しんでください。
まとめ
ダイビング後に浮上するのも飛行機に乗るのも圧力が減る原理は同じ!
身体に溶け込んでいる窒素が抜け安全に飛行機に乗れるまでの待機時間がダイビングの内容によって12時間から18時間と決まっている!
減圧症というリスクがダイビングにはあるが、インストラクターやガイド任せにしないでダイバー自身もきちんとルールを守ってダイビングをすれば怖くない!!
最後まで読んで頂いてありがとうございました。