イカゲームは人気が高いドラマですが、「カイジ」「神様の言うとおり」に似ているという噂もあります。
一体どこが似ているか、気になるところですね。
本記事では、イカゲームには原作があるのか?「カイジ」「神様の言うとおり」の共通点について考察していきます。
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イカゲームに原作はある?
ネットフリックスの人気番組「イカゲーム」。放送後2週間で、韓国語を学ぶために登録した新規会員が、英国で76%、米国では40%増加。 pic.twitter.com/qlS5x0Lb3P
— ロイター (@ReutersJapan) October 12, 2021
結論から言ってしまうと、韓国ドラマ「イカゲーム」に原作はありません。
・今際の国のアリス(漫画)
・First Love初恋(宇多田ヒカルの曲)
・ボクたちはみんな大人になれなかった(小説)
最近では90年代の人気漫画「幽☆遊☆白書」が実写ドラマ化になって話題になりました。
なかには実際に起こった事件をモチーフにしているドラマもありますね。
ただし「イカゲーム」のように企画や原案から立ち上がった作品もあり、例えば
・オレンジ・イズ・ニュー・ブラック(アメリカ、2013年)
・ダーク(ドイツ、2017年)
・愛の不時着(韓国、2019年)
が当てはまります。
そもそもイカゲームとは韓国の遊びの1つなので、タイトル自体は奇抜なようで韓国の人にとっては良く聞く馴染みのあるネーミングだと思います。
ではドラマの内容についてはどうでしょう? 日本の作品に似ているのではないかといわれていますので検証していこうと思います。
イカゲームは「カイジ」に似ている?
こうしたデスゲーム系にはパクり疑惑はある意味でつきもの。でもこのドラマの本当のおもしろさは別のところにある → 全世界で話題沸騰中の韓国「イカゲーム」で指摘されるパクリ度 https://t.co/fzeDhFmtIB
— Kiyoshi (@Kiyoshileo) October 12, 2021
「イカゲーム」は「韓国版カイジ」とも呼ばれています。
確かに「イカゲーム」は福本伸行さんの漫画「賭博黙示録カイジ」(あるいは映画「カイジ」シリーズ)と類似点がいくつもあり、「パクリではないか?」という声も上がっているほどです。
「カイジ」と似ている部分
・主人公がダメ人間で、人生の底辺を這っている
・おまけにギャンブル狂いだが、なんだかんだ言って情に厚い
・そんな主人公が「大金が手に入る」という文句に誘われ、謎のゲームに参加する
・いったんは日常に戻れるものの、大金を手に入れなくてはならない理由ができてデスゲームに再度参加する
・主人公と同じく、人生の落伍者たちや失敗した人間がゲームに参加している
・デスゲームの内容はジャンケンや橋渡りなどシンプルなものばかり
(ただし特別なルールが設けられていたりもする)
・デスゲームなので、ゲームをクリアできなければ死ぬ
この指摘に対して、ファン・ドンヒョク監督は
「カイジとか日本の漫画が好きだからモチーフにしたよ」
と発表していますので、パクリとまではいかないまでもオマージュしている部分はあると思います。
「イカゲーム」も「カイジ」も借金や人生のがけっぷちに立たされている人間を集めてサバイバルゲームに参加させるという、お金持ちの道楽で高額賞金をかけたマネーゲームという点は似ています。
ちょっと違う点は、イカゲームは負け=死ですが、カイジの場合は負けると殺されずに地下に送られて低賃金で労働させられます。
ファン・ドンヒョク監督自身が「カイジをヒントにした」と公言している以上、共通点があるのは当然と言えましょう。
では何故わざわざ「カイジ」の痕跡を残したのか、ここからは個人的な考察なのでご注意ください。
まず「カイジ」と似てしまったのは、デスゲーム自体が韓国ドラマにとって初ジャンルだからだと思います。
「シグナル」や「被告人」など韓国ドラマでも謎が謎を呼ぶサスペンスやミステリーといったジャンルは確立されていますが、エンター性を演じながら殺戮していく描写はこれまでの作品にはありません。
それはひとえに韓国がグローバル化したことにより、自国の宗教と密接に関わっているからではないかと思います。
実際に韓国国内で仏教とプロテスタントとともに宗教を占めているカトリック、その協会は民主化運動の拠点にもなりました。
よくよく考えれば、デスゲームの作品は宗教に無頓着な日本だけのような気もします。
つまり何が言いたいかというと、宗教で培われた善悪などの基準が邪魔してしまい、オリジナリティあふれるデスゲームが描けなかったのではないかと思います。
もちろん「イカゲーム」には韓国らしさはあり、例えば韓国での社会問題や人間関係がそれです。
個人的に「イカゲーム」は大変面白いオリジナルドラマだと思いますが、「カイジ」のようなデスゲームの醍醐味、死のスリルを味わうルールや心理戦などが描かれてないのは少々物足りなかったです。
イカゲームは「神様の言うとおり」に似ている?
韓国人教授「他文化の尊重を」 中国での「イカゲーム」違法コピーに(聯合ニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/eK3nwziYNC
まあそもそもがカイジとかのパクりだしな…
— ポール (@Minetopia5) October 5, 2021
「神様の言うとおり」とは2011年に連載が始まった漫画で、2014年に映画化になりました。
非日常から遠かった登場人物たちがある日突然、得体の知れない存在からデスゲームを強制されるストーリーです。
「神様の言うとおり」と似ている点
「神様の言うとおり」には「イカゲーム」と同じく、最初のデスゲームに「だるまさんがころんだ」を採用している
「だるまさんがころんだ」に出てくる大きな女の子がまさにイカゲームの招き猫を連想させる
ちょっと違う点といえば、「神様の言うとおり」にはイカゲームのような賞金はありません。
「イカゲーム」では「ムクゲの花が咲きました」と呼ばれていますが、ゲームの内容は一緒です。
動いてしまった人間が容赦なく殺される描写も「神様のいうとおり」を彷彿とさせるため、「パクリじゃん」という感想はいくつかSNSに投稿されています。
ファン・ドンヒョク監督は「神様の言うとおり」との類似点については
「真似なんてしていない。偶然似てしまったため。そもそもイカゲームの構想は2008年からあった」
と発言し、否定している模様です。
公式が「偶然似ただけ」とコメントしている以上、受け取り側としてはそのまま呑み込むしかありません。
けれどもファン・ドンヒョク監督が「カイジ」をはじめとしたデスゲームを扱う日本の漫画を愛読していたことが気がかりです。
もしも本当は真似てしまったのだとしても、前述したように韓国ではデスゲームは初挑戦なジャンルとなります。
もしかしたら知らない人もいるかもしれません。
それを踏まえると誰でも分かるゲーム、すなわち子供の遊びをデスゲームに当てはめようとするのは自然なことかもしれませんね。
付け加えるなら、韓国ドラマでは社会問題は取り上げることは出来ても
「悪」を追及できない
のかもしれません。
言うまでもありませんが、デスゲームは悪趣味です。
生産性がなく合理性もない、命と人生を無駄遣いして理不尽に踏みにじります。
しかしながら、そうした悪はこの世にあるのは事実です。
通り魔だってそうだし、ジェノサイドだってそうです。冤罪やいじめなども含まれるでしょう。
もちろんそれを描いたとしても、世の中に公表できるかどうかは分かりません。
現に日本では戦争モノで主人公サイドが勝ったとしても盛り上がることはせず、「これで良かったんだろうか…」と反芻します。
逆にアメリカでは主人公サイドが勝ったら「このままの勢いで行くぞー!」と盛り上がるそうです…言うまでもなく、敗戦国と勝利国の差です
韓国ではデスゲームのような悪趣味な「悪」が描けないからこそ似通ってしまった…そう思うと残念ですが、これからに期待しましょう。

まとめ
原作のない、オリジナルドラマ「イカゲーム」が何故「カイジ」や「神様のいうとおり」と似ているのか、それはファン・ドンヒョク監督が参考にしたからです。
(ただし「神様のいうとおり」は除きます)
そのため類似点が多くなってしまったわけですが、その背景にはデスゲームモノが韓国で初挑戦だったことが大きいでしょう。
そこから伺えるのは韓国ドラマにおいて「悪」を描くのは難しいということではないでしょうか。
今回はイカゲームに原作はあるのか?カイジや神様の言う通りに似ている?について考察してきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

